ワタシ
川崎重工
川崎重工を支える人
世界トップエンジニアを師匠と仰ぐ、ブリスクの専門家。
YUYA YANO
航空宇宙システムカンパニー
# 04
矢野 祐也
航空宇宙システムカンパニー 生産技術
専攻科 生産工学専攻 修了 2012年入社
INTERVIEW
学生時代 → 入社動機
スケールの大きさ、
最先端技術、
社会からの「求められ感」。
幼少期からものづくりが好きで、プラモデルやレース用ミニカーを作っては自分で改造して、といったことを楽しんでいました。高等専門学校では企業の協力のもと、インターンシップに近いかなり実践的な取り組みを通して、問題を発見し、論理的な解決法を考えて提案する力を養いました。
就職活動の企業選択で重視したポイントは、「スケールの大きなものづくり」「最先端技術」「広く社会から必要とされる製品」に携わることができるということ。川崎重工は、それらを満たした企業として魅力を感じました。なかでも興味を持ったのは造船分野で、もともと愛媛で生まれ育ったこともあって造船業は身近に感じていたのですが、詳しく話を聞くと環境性能向上に注力しているとわかり、共感を覚えました。
また、面接でも笑いが混じるなど終始リラックスした雰囲気で、「こういうなかで仕事をしているんだな」とイメージできたのも入社動機となりました。この点は実際その通りで、今も打ち合わせや会議の場は「笑いで始まり、笑いで終わる」のが毎度のパターンです(笑)。
これまでの仕事とやりがい
厳しくなる顧客要求に、
ベストな機械加工で
応える。
入社してから現在まで変わらず、民需用航空機エンジン部品の生産技術に携わっています。具体的には、部品の機械加工工程において、要求される品質を満足させるためのNC(数値制御)プログラムの作成、工具の設計・発注、サプライヤーの技術支援業務などを主に担当しています。
生産技術というポジションは、社内では設計や品質、製造といった各部門との間に入り、さまざまな調整を行いながら生産上の課題を解決していくのが役回り。そのため、加工だけでなく広い分野の知識と経験が求められます。顧客要求がますます厳しくなるなかで、それを満たす生産技術の確立は容易ではありませんが、各種課題を解決に導き、ベストな機械加工で部品をかたちにできたときは達成感を感じますね。
成長を実感した瞬間
スイスに武者修行に出て、
ブリスク翼加工の
社内第一人者に。
そうした仕事のなかで最も印象に残っているのが、入社6年目に取り組んだ加工時間短縮プロジェクトです。ブリスクという部品の翼部分の削り出し方法を刷新することで、加工時間を100時間から65時間に短縮するというのが目標でした。加工に用いる工作機械はスイスの工作機械メーカーから仕入れたものだったので、私はまず翼加工に関する技術を習得するために、そのメーカーへ武者修行に行きました。現地でいろいろと教えてくれたのは、この加工技術分野では世界トップと評されるベテランエンジニア。2週間かけて彼から、翼加工の最適化方法や各種ソフトウェアの使い方、テクニックなどを学んだ私は、帰国後、「65時間」を達成するためのアイデアを検討、トライ&エラーを繰り返した後、チームのサポートもり、みごと目標を達成することができました。
その後もブリスク翼加工においては、加工機の切り替えを実現するなどドラスティックな取り組みを手がけた結果、上司から「ミスターブリスク」と呼ばれる社内第一人者へと成長することができたと自負しています。もちろんまだまだ修行中の身ではありますが、最先端技術に携わりたいと考えて入社したことを思い返すと、今、想像以上の仕事ができていると満足しています。
叶えたい未来
目標としているのは、加工の技術分野において常に最先端の技術を習得し、さまざまな問題に対して最適なソリューションを提供することで、社内外から頼られる存在になること。新しい技術を習得することは、自分の知らないことを多く知ることができる瞬間であり、接したことのない多くの人と接する機会でもあります。
たとえば私がスイスで教わったエンジニアの方は、私が「こういうことをやりたい」と伝えると、すぐに複数案をそのメリット・デメリットとともに提案してくれるような人で、大いに影響を受けました。私にとってはまさしく「師匠」と呼べる憧れの存在で、彼に追いつけ追い越せで研鑽を積んでいく考えです。
また、仕事では環境づくりがとても大切です。たとえ困難なテーマの打ち合わせでも、場を和ませることができれば良い発想も出やすいもの。笑いで始まり、笑いで終わる打ち合わせを、日本でも海外でもやっていきたいですね(笑)。