地上も、地中も、
海中も、海底も。
川崎重工のなかで、活躍のフィールドが最も広いのは、もしかしたらエネルギーソリューション&マリンの分野かもしれません。なぜなら、地上から海底まで、幅広く当社の技術が活かされているのですから。エネルギーソリューション&マリンカンパニーの活躍の舞台は、地球。ダイナミックな仕事をしたい方に絶好の場所です。
エネルギーディビジョン
地球の課題にクリーンなエネルギーで貢献を。
川崎重工では、ガスタービンやガスエンジン、ボイラなど分散型のエネルギー供給に対応した幅広い製品ラインナップを展開し、加えて、迅速かつ的確なアフターサービスの提供により多くのお客様に支持されています。そして世界的に脱・低炭素社会の実現が求められている今、企業の生産活動や地域の営みへの高効率な熱電供給を行ってきたガスタービンについて、これまでの豊富な開発、製造実績を生かし、水素を燃料として電気と熱を生み出す「水素ガスタービン」の開発、普及に取り組んでいます。2019年から大林組とともに取り組んでいる「ドライ低NOx水素専焼ガスタービン技術開発・実証事業」では、当社が新規開発したマイクロミックス燃焼技術を適用したドライ方式水素専焼ガスタービンの運転に世界で初めて成功し、さらに水素ガスタービンのラインナップの拡充を図っており、また、その他の製品においても水素社会実現に向けた様々な取り組みを行っています。
プラントディビジョン
世界初のプラントで、6700km離れた国の未来をつくる。
本から6700km離れた国・トルクメニスタン。天然ガスの埋蔵量は世界4位を誇ります。2014年、同国の国営会社・トルクメンガスからとある案件を受注しました。GTG(ガス・ツー・ガソリン)プラントの建設です。これは、天然ガスを原料にしてガソリンを製造するという世界初のプラントです。このプラントの製造は、トルクメニスタン側にとっても国の将来を左右するビッグプロジェクト。前人未到の挑戦です。プロジェクトを進めるにあたり、設計の難解さや現地の過酷な気温などさまざまな苦難がメンバーを襲いましたが、川崎重工の魅力であるチームワークを生かし、受注から5年後の2019年、ついに完成に至りました。水も電気もなかった砂漠の真ん中につくられた巨大なプラントは、現在も、多くのガソリンをつくり、雇用を創出し、国の経済に潤いをもたらしています。
舶用推進ディビジョン
海の安全と安心、そして地球環境のために進化を続ける。
舶用蒸気タービンの製造を開始して以来、1世紀以上にわたり各種推進機や主機等の舶用機器を世に出してきた舶用推進ディビジョン。近年は、「環境対応推進システム」の開発を盛んに行なっています。2020年には世界初のバッテリのみで航行する電気推進船の推進・給電システムを受注しています。そして、2021年には、天然ガス専焼エンジンとバッテリを組み合わせたハイブリッド推進システムの製造を開始。環境負荷の少ない天然ガスとCO2を排出しないバッテリで航行を行います。更に、CO2を排出しない水素を燃料とした水素ガスエンジンの実船実証を世界に先駆けて計画中です。このように舶用推進ディビジョンでは海事産業のゼロエミッションに向けた様々な取り組みを行っています。これからも当社は、世界有数の舶用推進システムインテグレーターとしてコアハードとそれらを組み合わせた最適システムを提供し、海洋分野における安全と安心、また地球環境の保全と改善に貢献していきます。
船舶海洋ディビジョン
海底パイプラインの整備を、より簡単に、早く。
今、世界中でオイルやガスの運搬に欠かせない海底パイプラインのメンテナンス需要が増加しています。そんな中、イギリスのMODUS社から川崎重工が受注したのが、世界初の海底パイプライン検査用ロボットアームを搭載した自律型無人潜水機「SPICE」です。パイプラインの検査には、これまでもROVといわれる遠隔操作型無人機を用いて検査・整備をしていたのですが、操縦には高い技量が求められ、スピードも決して満足できるものではありませんでした。そこでSPICEは、ロボットアームを使ったパイプトラッキング技術を搭載し、操縦者の技術・経験に左右されない高精度の検査を可能にしたのです。これにより、作業スピードも大幅にアップ。加えて、洋上にある支援船の運行時間を削減することもでき、CO2の削減にも寄与しています。海底パイプラインが安全に守られることは、人々の豊かな暮らしの維持に必要不可欠です。今後も世界の発展とともに、SPICEの価値はどんどん大きくなっていくことでしょう。