長村 歩美

ワークレポート

船の建造というダイナミックな仕事の一端を担い、日本が世界に誇るモノづくりを発信する。

契約締結後、引渡しまでの業務を一貫して担う。

工場営業の業務は、いわゆる受注営業とは違い、受注をいただき、契約が成立した後から仕事がスタートします。具体的には、契約内容の履行(代金回収、建造中の仕様変更工事への対応、必要書類の作成、官公庁手続きなど)、各建造段階での行事(起工式や命名式など)の実施、トラブル対応、顧客満足度向上を含めた諸対応など、多岐にわたります。実際に船を設計・建造するのは設計・工作部門であるわけですが、その船造りを滞りなく進めていくために、契約締結後から引渡しまでの間、船主様や官公庁といった社外関係者との調整や社内各部門の橋渡しなど、総合窓口役を務めるのが私の役割です。

入社1年目に先輩の補佐役を務めた後、2年目には早くも自身の主担当船を持つことになりました。とはいえ、知識も経験も不足しているため、ひとつひとつ実務を通して学びながらの業務遂行です。まず苦労したのは技術事項の理解。文系出身の私には、打ち合わせ中に頻出する単語の意味すらわからない状態で、都度調べたり、それでもわからない場合は、社内外を問わず、諸先輩方に直接教えていただいたりと、知識の習得には骨を折りましたが、これまで関わったことのない技術の世界にふれることは、この仕事の面白さでもありました。今でも日々勉強することばかりですが、諸先輩方のご協力のおかげでさまざまな知識を身につけることができています。

入社2年目で実感した、営業担当の責任と喜び。

印象深い仕事は、配属直後に契約が締結され、2年目になると同時に初めて主担当を任されることになったLPG船の案件です。不安を抱えながらも、1年目の経験を活かし、担当者としての責任感を持ちながら、手探りで業務を進めていきました。建造プロセスの節目で必要となるさまざまな手続きについては、ゴールから逆算して緻密にスケジューリングし、その通りに実施することでクリアできました。苦労したのは、日々持ち上がる問題の収拾に向けたアシスト。建造が進む中で、船主様や派遣された建造監督から、船の詳細仕様に関する技術的なご要望などをいただくのですが、工場営業担当である私は、先方と社内技術部門との間に入り、円滑に話合いが進むように調整をしたり、価格交渉を行ったり、時には緩衝材としての役割を果たしたりしなければなりません。自分1人ではではどうしようもない事項について、矢面に立ちながら事態収拾に向けて奔走しなければならないことがほとんどである上に、船主様や建造監督は私とは比べものにならないベテラン。厳しいご意見をいただくこともありましたが、それも川崎重工のモノづくりを信頼していただいているから、ととらえ、一つひとつが成長のチャンスであると思いながら、懸命に対応しました。

こうして、2年越しで無事に引渡しの日を迎えられたときには、感動もひとしおでした。長い間、毎日顔を合わせ、私の成長過程を横で見るようにおつきあいいただいた建造監督から「ありがとう」と笑顔を向けられたときには、純粋な喜びと工場営業担当としての達成感でいっぱいになりました。

次は、受注営業で今の経験を活かしたい。

船の建造は、あらゆる意味でダイナミックな仕事です。船体も大きければ建造予算も大きく、またできあがった船は世界中を航行するため、さまざまな規制や環境問題、海賊問題などのグローバルな波もリアルタイムにとらえながらの仕事となります。そのダイナミックな仕事に携わりながら、日本が世界に誇るモノづくりを発信する一助となれる・・・、それがこの仕事の何よりの魅力です。今後は、建造現場の近くで培ってきた経験を活かし、受注営業という立場から川崎重工のモノづくりを説得力をもって発信していきたいと考えています。